I am a JICA Junior Expert in Indonesia. Don't stop me now!

2011年12月22日木曜日

12月の活動について

0.任地の天気
毎日雨、曇り、雷雨、時々晴れ。

1.12月の活動
今月はとにかく忙しくて、ブログの更新が全くできませんでした。
そんな中、新たな進展があったので少々報告。

・国立公園職員研修
現在、JICA地球環境部が案件作成中とのことですが、
先日、現地調査の一環でコンサルの方が一名訪問
されました。

アジア各国から国立公園職員を招待し、保護区の管理
について集合研修をするというものです。

当国立公園もサイトのひとつとして検討して頂き、とても
有難い話だと思いました。サイト指定された場合は、
アジア各国の国立公園職員に対して、協力隊員と
国立公園の協働についてレクチャーする予定です。
自分の仕事が、他国に広まる可能性があることは、
とても嬉しいです。


・福井農林高等学校の研修旅行
先日、福井農林高校の高校生と教員が当国立公園を訪問
されました。生憎、時間が確保できず、ゆっくりご案内する
ことは出来なかったのですが、熱帯林の中を少しでも散歩
して頂くことができ、良かったと思います。

高校生は、未来の隊員候補です。彼・彼女たちに少しでも
隊員のことを知ってもらう機会を持つことができ、とても
嬉しく思いました。


最後に、おととい帰宅したら庭にアヒル?
がいました。何処から来たの?







2011年12月1日木曜日

12月に入る

0.任地の天気
晴れ、突然雷雨。

1.忙しい
最近、忙しくて全然ブログの更新が出来ません。
JICA関係の業務も多いし、学校訪問も相次ぎ、
お客さんの対応もあり、てんてこ舞いな感じだ。

そして、気づけば任期終了まで残り401日。
アッという間に任期半分終了だ。


12月のスケジュール


12月4日(日):邦人観光客ご案内
12月5日~6日(火):グヌン・チレマイ国立公園出張
12月8日~9日(金):隊員総会
12月12日~14日(水):環境分科会
12月15日(木):福井農林高校御一行様、受け入れ
12月18日(日):JICAソフトボール部試合
12月19日(月):JICAの新プロジェクトの調査、受け入れ
12月23日~12月30日(金):前任者の勤務校の生徒さん、受け入れ


とりあえず、30日までは相当予定が詰まっています。
正月は絶対休暇取るぞ。


雨季で水量増加中の瀧にて

2011年11月9日水曜日

小学校で出前授業

公園周辺の小学校で出前授業を実施
ゴミ問題と水俣病について語る


2011年11月8日(火)、公園周辺のチマチャン公立
第一小学校にて出前授業を実施したので報告します。
当日は、地元テレビ局も取材に駆けつけ、にぎやかな
授業となりました。


チマチャン公立第一小学校は、環境教育に力を入れています。
Kader Anak Cinta Lingkungan(自然を愛する環境リーダー育成)
というプログラムを実施しており、環境教育に力を入れています。


私は、今回の出前授業で3つのことを伝えました。

(1)なぜ、インドネシアにとって自然を守ることは大事なのか?
ユドヨノ大統領のスピーチを引用しながら、いわゆる環境サービス
について、分かりやすく解説しました。

(2)ゴミ問題
なぜゴミのポイ捨ては問題なのか? 保健衛生の問題と絡めて
解説しました。また、3Rの実践事例を紹介しました。

(3)水俣病の紹介
任地周辺は農民が多いことを鑑み、水問題の事例として水俣病
を紹介しました。


環境リーダーの児童たち


児童に質問を投げかける隊員

引き続き、チマチャン公立第一小学校で出前授業を実施すべく
教員と相談しながらカリキュラムを作っていく予定です。

今後も、公園周辺の小中学校にて出前授業を実施し、
任国の環境問題解決に向けて努力する所存です。

林業省 森林自然保護総局
グヌン・グデ・パンランゴ国立公園
青年海外協力隊(環境教育)
吉田賢一




2011年10月29日土曜日

渋滞宣言都市、ジャカルタ

0.ジャカルタの天気
どんより曇り空。今日は、一度も雨は降らず。
任地の山は、今日も雨なんだろうなぁ・・・

1.渋滞、ひどい・・・
今日のジャカルタ、夕方5時ごろから目抜き通りの
スディルマン通りが激しく渋滞。3キロほどにわたり
車のテイルランプがびっしり・・・

ジャカルタに来ると分かるが、
ジャカルタとは常に渋滞中の街なのだ。

理由はいくつもあると思うが、私が思う理由を記したい。

(1)交通マナーの悪さ
あり得ない場所での回転、割り込み、車間の狭さ・・・
これらが引き金になって急ブレーキをかける。
結果として、長い車の列が完成する。

(2)交通政策、交差点が交差点じゃない?
交差点とは、すなわち交差する道路だ。左車線にも
右車線にも車が走るわけだ。だから、交差点なのだろう。

しかし、どういう訳か、左車線の車が走行中なのに、
右車線の車が止まっている「交差点」があるのだ。
非合理的な「交差点」、本当に止めてほしい・・・

(3)人口増加 VS 道路整備
ジャカルタへの人口流入はとどまることを知らない。
そして、経済成長と相まって中間層が増加した結果、
クルマ所有者が大幅増加。それにも関わらず、道路の
整備拡張はほとんど進まず・・・結果、大渋滞が発生する。


もちろん、JICAも黙って見ているわけではない。
交通政策の専門家を派遣して政策アドバイスをしたり、
円借款で都市交通網の整備を試みたりと、さまざまな
試みをしている。

だけど、常に渋滞中の街・・・ジャカルタ
徒歩とバスを乗り継ぎ、僕は今日もジャカルタの街を
徘徊する。もちろん、渋滞を避けながら・・・


スディルマン通りを覆い尽くす車両・・・

右側一車線はバスレーン。渋滞対策の
一環なのだが・・・効果の程は?

雨季突入宣言

0.任地の天気
晴れ、ときどき雨、ときどき土砂降り、ときどき雷雨。

10月に入り雨の降ることが多くなったが、ついに10月28日(木)から
断続的に雨がが降り出した。そして、雷雨になると山に入るのが
危険な感じがする。そんな雨が降り出した。


というわけで、
10月28日、任地は雨季に突入したことを勝手に宣言します。


合羽を手放せない季節の到来・・・
雨とうまく付き合っていくしかないなぁ。



2011年10月19日水曜日

半コンポスト・・・

0.任地の天気
晴れ時々豪雨。とにかく、一瞬で辺りが暗くなり
轟音と共に降り出すのだ。

昼間なのに真っ暗。
熱帯の雨季。始まりの気配である。


1.コンポスト化、か?
先週、コンポストのモニタリングをしに村落へ入った。
いつものおばちゃん達が笑顔で迎えてくれる。
やっと僕も馴染みの顔になってきたのだろうか?


さっそく、コンポストのふたを開けてみる。うーん、
確かにちょっと水分が少ないか?
そして、若干カタマリになっているので、ほぐして
さらさらの土にする必要があると感じた。


コンポストにバナナを投入

今週、またモニタリングに行く予定。どんなふうになっているのか、
楽しみである。まだまだ、コンポスト化への道は長い・・・
でも、住民の皆さんが協力的なので、とても助かる。

どうにかして、任期中に環境リーダーを制度化して、環境活動が
継続する環境を作っていきたい。


2.引っ越し!である。
今月、引っ越しを決断した。より良い環境を求めて引っ越す。
人生初の引っ越しが@インドネシア・・・

コンロは室内に。外に置くと盗まれる。

この鍋の湯一杯で風呂に入る。風呂に入ると言うよりも、
ぴちゃぴちゃ湯をかける、という表現が適切である。

放置された草刈り機


(1)コンロ
ガスコンロを室内に置くのは危険だと最近思った。
というのは、黄緑色のガスがガス漏れを起こし、
爆発する事件が頻発しているからだ。

そんな話を最近聞いたため、引っ越し欲に火が付いた。

(2)草刈り機
朝目覚めてドアを開けると、目の前には・・・・・・

草刈り機!
山火事用放水器!


さすがに、草刈り機は怖い。誰かが夜中に入って草刈り機を置き
出て行ったのだろう・・・
さすがに、身の危険を感じるため、引っ越しの必要性を痛感。

そして、ムカデだ。
最近、ムカデとかゴキブリとかと闘うことに疲れてきた・・・


というわけで、近日中に引っ越し予定。
次の家は、部屋の鍵は僕しか持っていない!
極めて安全な家である。楽しみだー







2011年10月13日木曜日

そろそろ雨季か・・・

0.任地の天気
そろそろ雨季に入る気配である。
毎日、雨が降る。

1.晴天と雨天のはざま
10月8日(土)にグデ山日帰り登山を実施した。
土砂降りの中、12時間歩行は結構きつかった・・・

雨が強く降り出したため、2,500メートル付近で撤退を考え始める。
2,750メートルのエーデルワイスの草原まで前進し、そこから
進むか降りるか意思決定することにした。

2,750メートルで雨がやみ始めたため、登頂を決断。無事に登頂。
しかし、雲が深くて何も見えず・・・
以下、参考までに2,958メートルの山頂から撮影した写真。


雲と霧の王国。山の神が見せてくれた風景だ。

こんな土砂降りの日があると思えば、次の日には晴れている。
何ともイヤな季節に入り始めた。
ちなみに、今日10月13日は絶好の洗濯日和である。
上の写真も下の写真も同じ山!

雲一つない晴天。同じ山とは思えない?

日によって違う姿を見せてくれる山に実は結構惹かれている。
10月8日の雨天山行は、雨天は雨天で面白い山だった。

草木が息をしている感じが伝わってくる。
雨の山では、生き物たちの息吹を感じることができるのだ。


2.要望とやりたいことのはざま
Hasilnya apa?
あなたの仕事の成果は何ですか?

最近、上司から言われた一言。
何をもって成果というのか? 判断基準が問題となる。

民間企業の場合は、
いくら稼いだか?
何個売ったか?
等々、利潤という形で目に見える基準で成果を判断する。
もちろん、人材育成とか、他の評価指標もあるだろう。

僕の上司は、「目に見えること、物理的なこと」を成果として
みなす傾向があるようだ。たとえば、企業から現物賛助を
取ってくるとか、資金提供を受ける、等々。

それも大事な仕事だと思う。でも、それだけを成果として
見なされてしまうと、僕としては極めて厳しい。
残り1年3ヶ月の任期で契約から実行まで達成するのは
難しいかもしれない。


一方で、僕は民衆志向で開発途上国の社会経済の発展に
貢献することが協力隊事業の柱だと考えている。

したがって、僕が達成したいことは、現在入っている村落で
コンポスト化や環境教育を定着させることだ。それが、
民衆志向且つ現場の問題解決につながると考えるからだ。


しかしながら、上司は村落開発の為の資金を取ってくることを
評価するようだ。しきりに、「ミシンを買うカネを○○会社に
頼め」とか、そういうことばかり言う。

たしかに、カネを取ってくることは重要であり、十分に理解して
いるつもりである。だが、そればかり言われると、若干萎える。


赴任してから9か月が過ぎ、成果について問われるようになった。
そのことは喜ばしい限りなのだが、今まで提出した四半期レポート
や登山道の整備計画等は、評価の対象ではないのか?と思うと、
少々寂しく感じる。

ソフトではなくてハード、目に見えないことではなく目に見えること、
これがインドネシアでは評価されることなのかもしれない。



2011年10月3日月曜日

コンポスト、種菌をつくる

0.天気
任地の天気は晴れ。先週末、登山した方の情報によると
山頂付近も晴れていたとのこと。

1.コンポスト、種菌つくりが始まる
先週、またPasir Buncir村(以下、PB村)に入り込む。
目的は、種菌づくり。

コンポストボックスに土を入れ、先週作った発酵液を
混ぜる。混ぜ混ぜして、さらに10日ほど寝かせる。

近所の土と落ち葉が混ざった土壌に発酵液を投入。

土壌を取りに行ったり、発酵液を混ぜる作業は
僕と近所のおばちゃんたちの共同作業だ。

最終的には、住民の中から「環境担当者」みたいなチームを
組織化し、「人」を育て環境関連活動を定着化させたい。

途上国では住民の組織化が難しいと一般的に言われているが、住民とのコミュニケーションやフィールド調査を基に、
この目標を達成したいと思う。


まだまだ始まったばかり。
目標達成までの道のりは長い。



2011年9月26日月曜日

疲れた時にこの一曲

0.ジャカルタの天気
蒸し暑い。でも、最近夕方になると雨が降り出す。
はやり、そろそろ雨季に入るのだろうか・・・

1.疲れた時にこの一曲
今月から村に入り込むようになった為、結構疲れが
溜まっている。疲れているときに聴く曲を紹介する。


(1)石川さゆり 『天城越え』
言わずと知れた日本が誇る名曲、との評判である。
メロディーが良い。気合いが入る予感がする。



(2)コブクロ 『手紙』
彼らの友人が青年海外協力隊隊員としてベトナムに
派遣された。その友人を応援するために作った曲。
協力隊隊員なら誰しも知っていると思う。


(3)ふでぺんボールペン 澪バージョン
テレビアニメ「けいおん!!」で歌われていた曲。
昨日、ジャカルタージャパン祭りで歌っていたインドネシア人を発見。
しかも、けいおん!のコスプレをしているインドネシア人たち多い!


(4)ラフマニノフ ピアノ協奏曲第二番
言わずと知れたクラシックの名曲。テクニック的なことは
全く分からないが、とにかく聴いていると落ち着く。素晴らしい。



山小屋勤務で疲れた時は、音楽たちに癒されている。
でも、すべてジャンルがバラバラなのが笑える・・・自己分析。



2011年9月23日金曜日

発酵液をつくる

0.任地の天気
昨日の夜、突然の豪雨。
これぞ、熱帯の雨!という降り方だった。

1.発酵液をつくる
僕が取り組んでいるのは、高倉式コンポストである。
土着の菌を活かした好気性のコンポストだ。

メカニズムは、
(1)菌をつくる
(2)菌と土壌を混ぜる
(3)菌が有機物(野菜カス等)を食べる
(4)堆肥となる

こんな流れである。

というわけで、まずは土着の菌を活かした発酵液作り。
インドネシアでは、テンペ(大豆の発酵食品)がよく
食されているので、テンペを使って発酵液を作った。


住民と一緒に発酵液づくり。

ペットボトルに水、砂糖、テンペを投入。
その後、よく振って1週間ほど放置する。

来週、後ろのピンク色のボックスに土壌と発酵液を投入。
どうなることやら、楽しみである。


2.モチベーション
現場で喜んでもらえると嬉しい。
コンポストの紹介をしたところ、

「こんなに簡単ややり方があるのか!
教えてくれてありがとう。」
と、村人のお爺ちゃんからすごく感謝された。

現場で感謝されるとモチベーションにつながる。
その日は、すごくビールを飲みたい気分だったが、
イスラム教の強い地域の為、泣く泣く諦めた・・・







2011年9月22日木曜日

村に入り込む

0.天気
任地周辺の天気は、午前中は晴れ、
夕方に一雨降って気温低下・・・

1.村に入って・・・
9月から村落開発支援業務を本格化させ始めた。
今日は、ターゲットサイトの紹介をしたいと思う。

名前:Pasir Buncir村(PB村)

PB村は、5つの町内会と22の隣組で構成されている。
僕のターゲットサイトは、第二町内会第一隣組だ。
総世帯数は87世帯、主産業は農業で美しい田園風景
が広がる。

田園風景が広がる


土地を持っている人間はごく少数で、村人は「労働者」
として農業に従事している。一日働いて賃金は約20,000Rp、
約200円、月の所得は約5000円。まだまだ貧しい。
20代の公務員の手取りが、月2万円前後だということを
考慮すると、農民の収入は極めて低い。

田んぼの真横にヤシの木。さすが、インドネシア。

そんなPB村にNGOが立ち上がった。名前は「Green Earth」。
この団体は、ゴミの再利用や環境教育を通じて、地域の清掃や
住民の環境意識向上の為、活動している。

PB村は、当国立公園のバッファーゾーン(緩衝地帯)に位置する為
このNGOの支援を通じて村落開発を支援することにしたわけだ。

村のメインストリート

残りの任期を賭けて、PB村の村落開発支援に取り組む。
同時に、地元小学校での環境教育も実施していく。





2011年9月19日月曜日

コンポスト

0.任地の天気
最近、夕方に雨。もう雨季に入っちゃうの
登山客がまだ多いだけに、天気は心配である。


1.大忙し
今から取り組むことを大まかに説明。

(1)コンポスト
有機ゴミを堆肥化する方法はいくつかあるが、
僕は高倉式コンポストを任地周辺の村落にて
普及させることにした。

ゴミを減らそう!
有機農業をしよう!
と、言うは易し、行うは難し。

周辺村落の開発支援も国立公園の重要な業務だ。
何処まで出来るか分からないけど、残りの任期を
賭けて全力で取り組む所存。

毎週一泊は村で寝泊まりしてコンポスト化に取り組む。


(2)ジャカルタージャパン祭り
9月25日(日)にジャカルタの独立記念広場で
ジャカルタージャパン祭りのフィナーレが開催される。

僕も参加して、国立公園の宣伝をして来ようと思う。
さらに、いくつかの日系企業もまわってコネクション作り。
特に、清涼飲料水メーカーとはコネを作りたい。

(3)国際会議、9月27日
気候変動関係の国際会議、
「Forest Indonesia: Alternative futures to meet demands for food, fibre,, fuel, and REDD+」
がジャカルタのシャングリラホテルで開催される。

僕は、上司を誘って参加することにした。
最新の議論に参加することで、同僚や上司のモチベーション
を上げるのが狙いである。楽しみだー

(4)新隊員さん受け入れ
青年海外協力隊は、年に4回派遣されるが、10月初旬に
新隊員さんが赴任する。その受け入れも重要な仕事だ。

(5)企業回り
そろそろ水資源保全に賛助して頂ける企業を探そうと思う。
アポ取って、渉外行って、説明して・・・
この繰り返しだと思う。


というわけで、結構忙しい。
いろいろと調整しなければいけないことも多く、
最近はブログの更新も滞ってしまった・・・

そして、ネットワークの調子も悪いため、
写真のアップは断念・・・次号では、僕が活動している村落を
紹介したいと思う。



2011年9月4日日曜日

Selamat Hari Raya

0.ジャカルタの天気
晴れ。断食明け大祭中は、車が異様に少なかった為、
ジャカルタの空は晴れていた気がする・・・

1.断食明け大祭
2億人のイスラム教徒が断食を終了。長期休暇に入った。
それに伴う帰省ラッシュで道路、空、鉄道は大混雑。

さすが、2億人の民族大移動!
逆に、首都ジャカルタはもぬけのから!

普段は大渋滞のジャカルタ・スディルマン通りも
スイスーイ進むことができる。素晴らしい。


しかし、ひとつの事件が発生した。
すなわち、「断食はまだ終了していない」との報道が
なされたのだ。

イスラム暦は月の満ち欠けが周期となっているが、
どうもイスラム法学者の間で、
月の満ち欠けを見ると、まだ断食は終わっていない!
との意見が出たのだ。

というわけで、断食期間が1日延長された模様。
私の眼にはテキトーというふうに映ったわけだが、
まぁ、インドネシア的には問題ないのだろう・・・w


2.海辺の夏休み
断食明け大祭(9連休)、ずっとジャカルタにいるのも変だと思い、
JICA職員たちと西ジャワの海に行くことにした。

Pelabuhan Ratu

波が高くて有名なビーチである。僕は泳げないのでサーフィンは
出来ない。「丘サーファー」で十分である。


夕暮れ時。

久しぶりに聴く潮騒のバラードと一緒に飲むビールは格別。
ちょっと大人の夏休みをエンジョイすることができた。


3.9月からの仕事
いよいよ本業の村落開発支援に取り組む。
農村部のNGOと組み、環境関連の啓発活動、
3R、コンポスト化等に取り組む予定だ。

今週から、部袋持参で農村に寝泊まりし、
民衆志向の活動を実践する予定だ。
The 協力隊?的な仕事を実践していきたい。

好きなら、頑張れよ。







2011年8月25日木曜日

ハリムン・サラック国立公園、サラック山を登る

0.任地の天気
晴天の日が続く。今年は、雨季と乾季の境目がはっきりしているという。
カラっと乾いた晴天。気温は23度前後。とても過ごしやすい気候だ。

ところで、明後日から配属先は断食明け休暇に突入する。
既にみんな仕事する気ナシ。
内緒で帰省を始める職員もいる。アルハンブリラー


1.Taman Nasional Gunung Halimun Salak訪問
グヌン・ハリムン・サラック国立公園を訪問した。

狙うは、サラック山Ⅰ(2,210メートル)登頂である。
ハリムン・サラック水系は、ポカリスウェットやヤクルトなど
日系の清涼飲料水メーカーが水源として使っている為、
一度山の様子を見てみたいと思っていたのだ。

特に、ゴミが投棄されているかどうか? これが気になる。
ゴミの投棄は、水源にとって脅威であり、飲料水の質に
大きく影響する。そこで、登山者にゴミ袋を配布するべく、
断食明けから、スポンサー企業を開拓する予定だ。

案の定、山にはゴミが捨てられていて、改めて
環境教育や登山者への環境ポリシー徹底が求められると感じた・・・


朝4時にジャカルタ出発。
公園管理事務所に到着すると、巨大カブトムシが出迎えてくれた。

巨大カブトムシ。手のひらサイズ。日本にはいないサイズだなぁー

サラック山は、とにかく「深い山」である。
とにかく、山が深いのだ。上りは一苦労。
さらに、世界一雨が多い山であるため、
滑る個所が多い・・・

ちなみに、トレイルにはたくさん動物の糞が落ちている。
イノシシ、ジャワヒョウ・・・獣がたくさん棲む山。


こんな登りが何か所も続く

実は、前日の中華料理がまだ胃腸に残っていたため、
かなり厳しい山行となった。しかし、第一三共胃腸薬の効果は
絶大で、吐き気は治まり、登頂に成功したのだった。

鎖場が三か所存在する。怖い。
7:30に登山口を出発し、登頂は13:00。
登頂寸前の時は、グロッキー度99%。死ぬかと思った・・・

時折見える景色は、とても幻想的だった。
やはり、現場に出るのは大事。
ずっと事務所に居ては、ゴミが捨てられているかどうか?
トレイルが整備されているかどうか?分からない。
同僚の職員にも、もっと現場に出てもらいたいと思う。


今回の山行はキツカッタ。
コブクロ「手紙」より引用


泣いてしまうほど辛いのは 一番頑張った日の証。
そんな自分を時々は 休めてあげなきゃダメだよ。


青年海外協力隊の応援歌である。
疲れた時はこの一曲!




2011年8月10日水曜日

スラウェシ島4、「食べる、トビウオ、夕日」

マカッサルの夕日


世界三大夕日というのをご存知だろうか?
出典は不明だが、バリ島、マニラ、釧路らしい。

マカッサルの夕日も、それらに負けず劣らずの美しいものだった。
旅の最終日は、マカッサル湾に沈む夕日に乾杯。

沈む夕日とコンテナ船
空も人も港も、すべてを茜色に包むマカッサルの夕日。
美しいこと、この上ない。

茜色に染まる海岸沿いの空
こんなにキレイな夕日を眺めながらビールを飲んだら
本当に美味しいだろうなーと思い、早速飲むことにした。

夕日を肴によく冷えたビンタンビールを飲む

夕日を見学した翌日、若干時間があった為、マカッサル港から30分ほど
行ったところにある小島まで足を延ばすことにした。小舟をチャーターし
揺られること30分。目的地到着。

キレイな砂浜

一瞬、すごくキレイな砂浜だと思いきや、
島の裏側にはゴミが散乱。
最後まで期待を裏切らない
マカッサルでした(爆)


それにしても、僕の足、生白いなぁ・・・涙



2011年8月9日火曜日

スラウェシ島3、「食べる、トビウオ、夕日」

マカッサル二日目

<7月29日>

とにかく、マカッサルは暑い。本当に暑い。
普段涼しい高原で暮らしている為、暑さにやられた。
ぬぬぬ、風邪の予感である。


マカッサル郊外の漁村
トビウオ街道を歩く


みなさん、トビッコってご存知ですよね?
寿司ネタのアレです。

実は、みなさんが普段日本で食べているトビッコたちは、
インドネシア近海で捕られているのだ。ご存知だっただろうか?
そんな情報を仕入れていた為、トビウオの漁村を訪れることに。


まず、トビウオの卵、通称トビッコはどうやってとるのだろうか?
トビウオの腹を割いて取り出すのだろうか?
僕は、腹を割いて取り出すと信じていたのだが・・・実は・・・


(1)バナナの皮にトビウオが卵を産み付ける
トビウオは、漁師によって仕掛けられたバナナの葉っぱに
卵を産み付ける。産み付けられた卵を漁師が取るのだ。

漁船に巻きついたバナナの葉っぱを使う。

(2)トビウオの卵を乾燥させ、巻きついた綿をとり、「トビッコ」にする
バナナの葉っぱにくっ付いているトビウオの卵を一度乾燥させる。
その後、漁村に持ち帰り、付着した綿などを取る。普段我々が
食す「トビッコ」の原型が姿を現す。

綿が付着したままのトビッコ
白い綿がついているので、ゴシゴシこすって綿を取る。
いよいよトビッコの完成!

ゴシゴシこすって綿を取る

ちなみに、トビウオってこんな魚。
初めて見ました。

トビウオおばちゃんとトビウオ兄ちゃん
もっとアップで撮影すると、こんな感じ。

これが、本物のトビウオちゃん

トビッコの漁村に沈む夕日はきれいだった。
しかし、漁村に捨てられたゴミはやっぱり汚かった。
ああ、環境教育隊員、頑張らなければ・・・

漁村、夕日、そしてゴミ・・・涙


スラウェシ島2、「食べる、トビウオ、夕日」

スラウェシ島2
「食べる、トビウオ、夕日」


7月28日から31日までスラウェシ島のマカッサルを訪問した。
主目的は、バンティムルン国立公園の訪問。それ以外にも
「食べる、トビウオ、夕日」に感動した為、日記を書くことにした。


<7月28日>
マカッサルの国際空港に到着。
思った以上に近代的でびっくりした。
インドネシアの地方都市の空港は、どれも似たような作りで
滑走路の横に牛がいたり、とにかくのどかな感じなのだ。

しかし、マカッサル空港は違った。大きい、キレイ、そして
意外と使いやすい。うん、出だしは上々である。

マカッサルのあるスラウェシ島は、経済開発に力を入れている。
発電、道路、モノレール等、大型インフラ案件が目白押しだ。
誰が金を出すのか? もちろん、中国である。
ジャワ島でインフラ案件に参入すると目立つため、ジャワ以外の
島で大型案件に参入するという考えか???

実は、マカッサルには日本大使館の出張所がある。
早速、アポをとって表敬訪問。たまたま来ていた北里大の研究者とも
話すことができ、有意義な表敬訪問となった。

特に、北里大の研究者の話は興味深かった。
いわく、スラウェシ島には数か所ハンセン病のホットスポットがあり、
毎日新患の方が病院を訪れるという。北里は、マカッサルの
ハサヌディン大学の学生さんを受け入れたり、共同研究すること
によって、スラウェシのハンセン病患者を減らしたいとのこと。
北里の方の話は、すごく真剣であった。そして、良い仕事してるなぁーと
思い、自分も良い仕事をしなければ!と思ったのだった。


さてさて、夜はマカッサルの日本人会の方と夕食。
マカッサルと言えば「魚料理」、ということで中華系の魚料理屋へ。
そしたら、とんでもなくデカイ魚が入り口に置いてあった!

デカっ!
様々な魚料理を食したが、最もシンプルで美味しかったのは
Otak-otakと呼ばれるカマボコです。これ、大根おろしをつけて
食べると本当にうまい!

カマボコ。バナナの皮に包まれている。

余談だが、マカッサルで魚料理ばかり
食べていたら、既に慢性化した下痢が
治った・・・なぜだ???




スラウェシ島1「バンティムルン国立公園」

0.任地の天気
晴れ。とにかく寒い。夜は15度。寒い。
8月って暑いんじゃないのか?

1.スラウェシ島、マカッサルへ
国立公園に勤務している為、任期中に出来る限り多くの
国立公園に行ってみたいと思っている。

その第一弾として、マカッサル郊外にある
バンティムルン国立公園、通称「蝶に谷」に行ってみることにした。

なぜ「蝶の谷」と呼ばれているのか?
なぜなら、1856年に博物学者のウォーレスがこの地を訪問し、
多数の新種の蝶を発見、その後、蝶がたくさん生息する場所
として知られるようになったからである。


結構、舞っています。
遊歩道も整備されているし、週末の散歩コースとしてGOODだと思った。
しかし、パンフレット等の情報提供が皆無だったのが気になる。

エコツアーや自然解説に力を入れるなら、訪問者への情報提供は
必須である。この点、私の勤務先も含めてもっと力を入れなければと
思った次第である。

遊歩道は整備されている。
今回の教訓として、チケット売り場にパンフレットを置く!
これ、任地で実践してみようと思った。


それにしても、「蝶の谷」って言われる割には、ちょっと蝶の数が少ない?
まぁ、でも良いリフレッシュになったから合格点かな・・・


2011年8月5日金曜日

断食の風景

0.天気
8月の天気は晴れ。しかし、朝晩は冷える。15度前後になる日も
しばしば。6月以降、任地の気温は下がる一方である。


1.断食の風景
とにかく、みんな
「インシャラー」とか、
「アルハンブリラー」とか、
「アッサラームアレイクム」とか、
そんなコトバをよく発している。

電話で、会話で、道端で、独り言で、
とにかく「アルハンブリラー」って、言いまくっている。


意外なことは、道端に落ちているゴミの量が増えること。
断食が開けるのは夕方6時。したがって、バスに乗っている人も
道端を歩いている人も、6時が近づくと片手に必ず飲料水の
ペットボトルや紙ボトルを持っている。

そして、断食が開けて飲み干すと、ペットボトルや
紙ボトルをそこらじゅうに投げ捨てるのだ。


なるほど、こうやってゴミが増えていくのだなぁー。
妙に納得すると同時に、目の前でゴミをポイ捨てされると、
すごくイヤな気分になってしまう。
どうにかならないものか・・・終わりなきポイ捨てとの戦い・・・

2011年8月3日水曜日

本気の断食

2億人のインドネシア人がいっせいに断食していると思うと、
なかなかスゴイと思わざるを得ない。


断食に入り、任地周辺の様子は一変した。
とにかく、屋台がクローズ。
飯が任地周辺から無くなった感じである。


屋台は全てクローズ。人もほとんどいない。

空いているお店でも、飲み物は全て撤去されている。

この状態だと、僕も断食に参加する以外に選択肢はなさそうである。
困ったな・・・

これ以上、痩せるのは困る。
本当に困るのだ。どうしよう?


アルハンブリラー




2011年8月1日月曜日

断食月が始まる

一言だけ。

西暦2011年8月1日より、任国インドネシアは断食に入った。
約2億人のインドネシア人イスラム教徒が断食に入る。

彼・彼女らは、朝4時から5時の間に朝食を済ませ、
夕方のお祈り(だいたい6時)まで一切の飲食を断つ。
そして、夕食を共にしイスラム教徒の団結を高める。


今日、昼間のジャカルタを歩いたら、飲食店には中華系の
人しかいなかった。


さて、僕は断食に参加するべきか、否か・・・
明日、任地へ戻ってから状況を見て判断することにしよう。

2011年7月23日土曜日

食べ歩き、その9

食べ歩きの巻き


美味しいものを食べると、やる気が出る。
美味しいものは、モチベーションの源泉。

というわけで、まだまだ続いています「食べ歩き」。
今回は、任地周辺の焼鳥屋を紹介したい。


僕は、毎日2キロほど歩くようにしている。理由は、
お客さんと登山した時に、脱落するわけにはいかないから。
普段、標高1,300メートルに住んでいると、山頂に行っても
高山病にはならなくなった。


しかし、日ごろからのトレーニングは欠かせない、という
ことで、任地周辺の坂道を毎日歩いているわけだ。
その際、ふと目に留まったのが今日のお店(小屋?)
隊員だからこそ発見できた小さなお店だ。


Warung sate
(焼鳥屋。特に、名前はない)


ここの焼鳥と焼き牛肉?は、任地周辺では絶品料理のひとつである。
地元のおばちゃんが、3円ほど前から始めた屋台?小屋?で、
地元の人たちから愛されている小屋なのだ!


*小屋と書いているが、小屋以外に適切な表現が思い当たらない。
別に軽蔑しているわけではないので、ご留意願いたい。


これがお店。サイドの椅子に座るか、中で食べるか、持ち帰るか。
非常に小さなお店である。小屋の中には人が2人程度しか座れない。
僕とおばちゃんが座ったら満席(笑)。いつも、おばちゃんと二人で
お店を占領しながら、インドネシア語の練習に勤しんでいる。

いつも焼鳥3本、焼き牛肉3本、焼き飯2個。
小屋の前でおばちゃんが焼いてくれる。
もちろん、炭火焼である。
うちわで扇ぎながら焼いてくれるわけだが、
灰が米や焼き鳥にかかって、若干灰色になる(爆)

途中でタレをつけて、再度焼く。
さらに、うちわで扇いで灰が若干付着(笑)

完成。微妙な焦げ目がうまい。

というわけで、チボダスにお越しの際には、ぜひご賞味あれ。

名前:なし。
住所:Jl. Raya Cibodasに面している。公園管理事務所から1キロほど
下ったところにある。
価格:串焼き、焼き飯ともに、1,500Rp/本、個

第二四半期を終えて(2011年7月)

第二四半期を終えて(2011年7月)


配属されて以来6か月が経過した。感じたこと、仕事などなど、
自分の為に記しておきたい。自分の為の日記。


1.業務面
第二四半期では、主に登山関連に業務に注力してきた。
すなわち、登山客獲得のためのプロモーション、口コミ、
入山許可書取得の代行、登山計画の作成等、サービス部門
の業務に注力してきた。

その中でも、とりわけ注力したのは登山道整備のための
予算獲得である。

200メートルほど続く木製の橋は、既に朽ちている。

登山道が相当痛んでいる箇所がある為、上司にレポートを提出。
来年度予算にて登山道整備費用が認められる予定であり。
さらに、韓国政府機関から援助の申し出もあり、来年以降は
整備された登山道を安全に歩くことができそうである。

配属6か月で約120名の日本人観光客(トレッキング及び登山)を
獲得することができた。8月は閉山となる為、再びプロモーションに
注力し、9月の山開きに備えたいと思う。


2.第三四半期に向けて
業務面では、新たに「コンポスト」に取り組む予定である。
コンポストとは、有機ゴミ(野菜等)が微生物に分解された後に
出来上がるたい肥のことである。

任地周辺は高原野菜の産地である為、野菜のカスがたくさん
捨てられている。この野菜カスをどうにか出来ないものか?という
疑問から、コンポスト化に取り組むことにしたい。

具体的には、サロンゲ支所の山小屋に寝泊まりし、地域住民と
共にコンポスト化を始めたいと考えている。
もっと現場で仕事がしたいという欲求がある。今は、登山シーズン
であり、お客さんも多い為、オフィース勤務は仕方がないと思う。
しかしながら、まだまだ出来ることはある、もっと自分を追い込み
仕事に没頭したい。、その為には小屋で寝泊まりしつつ業務に
当たることも必要だと判断した。必要というよりは、I wantである。

断食明けから早速取り組んでいきたい。
9月には、コンポスト関連の研修も予定されている為、学習した知識を
存分に生かして、当該村落の生活向上に貢献したい。

3.生活
生活は、相変わらず同じ家、同じ食べモノ、同じ空気、同じ・・・
引っ越しを本気で検討はしたが、面倒くさいし案外忙しいし、
現在中断中。しかも、僕の家の為に1万5千円出費してもらうのも
何だか気が引けるなぁーって思うところ。

風呂
僕が風呂で使うことができるお湯の量は、この鍋一杯分である。
このお湯をチビチビと使いながら、1日の疲れを癒す。
って、癒されないだろ。湯船につかりたいなぁー

特に、6月以降は朝晩冷える。15度くらいになる日もある。
そんな夜には、このお湯だけでは、ちょっと足りないけど、
そんな環境にも既に慣れてしまった。

慣れないものは、下痢。
3カ月に一度のペースでお腹を壊している。この前は3月、
そして今・・・先週、病院に行ったら「バクテリア」検出。嗚呼。
抗生物質と抗アメーバ薬を五日間飲んだものの、下痢は治まらず。

まずい。
このままではまずい。
ということで、来週もう一回病院に行くべきか・・・ちょっと悩む。


来週は、南スラウェシのバンティムルン国立公園に行くこと
になった。国立公園の職員として、出来る限り多くの国立公園に
行ってみたいと思う。
蝶の谷で癒されつつ、美味しい魚をたくさん食べてこようと思う。


下痢に負けるな!

2011年7月21日木曜日

ニュースリリース13(2011年7月19日)

チアンジュールのFMラジオ
「エーデルワイス」に出演
コンポスト普及を訴える


7月19日に任地のコミュニティラジオ「エーデルワイス」に
出演したのでご報告します。

グヌン・グデ・パンランゴ国立公園(以下、TNGGP)の
サロンゲ支所には、コミュニティラジオのスタジオが併設
されています。私は、夕方の時間帯にラジオに出演、
ボランティアでラジオを運営している地元の高校生たちからの
インタビューに答える形で、コンポストの普及を訴えました。

コンポストとは、有機ゴミを微生物によって分解した後に
得ることができるたい肥のことです。インドネシアでは、
家庭部門のゴミ減量を達成すべく、積極的にコンポストの
導入が図られています。

TNGGP周辺は、高原野菜の産地であり、野菜の残りカスが
道端にたくさん捨てられています。

「この有機ゴミをどうにか生かすことはできないのか?」

この疑問から、コンポスト化を思いつき、9月の断食明けから
地域住民と共にコンポストに取り組む予定です。そのことを
前もって宣伝する為に、コミュニティラジオに出演しました。

捨てられたニンジン

具体的には、TNGGPのサロンゲ支社の小屋に、週一回寝泊まりし、
住民と共にコンポスト化に取り組みたいと思っています。

青年海外協力隊隊員には、同僚や地域住民との協働、すなわち
「民衆志向」が強く求められます。今後も民衆志向でより良い仕事が
できるように努力する所存です。

インドネシア林業省 森林自然保護総局
グヌン・グデ・パンランゴ国立公園
青年海外協力隊(環境教育)
吉田賢一

2011年7月7日木曜日

情報提供「グデ・パンランゴ登山」について

情報提供
グデ山及びパンランゴ山登山について


昨今、グデ山及びパンランゴ山登山に関する問い合わせが
増加している為、登山関連の情報をまとめて掲載したいと思います。


1.グデ山(Gunung Gede)
標高2,958メートル。山頂から眺めるご来光と雲海が売り。
さらに、2,700メートル付近のAlun-alun suryakencanaに咲く
エーデルワイスも美しい。

2.パンランゴ山(Gunung Pangrango)
標高3,019メートル。山頂付近から5分ほど歩いたところに、
小さなAlun-alunが姿を現す。こちらも、エーデルワイスが
美しい草原である。

Alun-alun seryakencanaからバンドン方面を眺める
3.入山口
入山口は3か所あります。
(1)チボダスゲート(Pintu Masuk Cibodas)@1,250メートル
公園管理事務所が位置する。チボダスから入山または下山する
登山者は多い。入山制限は、一日300人までとなっている。

(2)グヌン・プトゥリゲート(Pintu Masuk Gunung Putri)@1,200メートル
チボダスゲートから、アンコット(ミニバス)に乗って約45分。
約5時間の登りが続いた後、目の前にAlun-alun seryakencanaが
広がる。人気の入山口。入山制限は、一日200人までとなっている。

(3)サラビンタナゲート(Pintu Masuk Salabintana)@1,200メートル
山頂から最も遠方に位置する入山口。サラビンタナから入山または
下山する登山者は、ほとんどいない。入山制限は、一日100名まで。

グデ山頂から眺めるご来光と雲海
4.ルート
3つの入山口のいずれかより入山すれば、下山はどの出口でも可能。
今回は、もっとも人気のあるGunung Putriより入山し、
Cibodasへ下山する1泊2日のルートを紹介する。

(1)チボダス集合
6:00~7:00ごろ:チボダス公園管理事務所に集合。
クルマは、公園管理事務所隣接のマンダラワンギ駐車場に止めることが
できる。なお、駐車料金は無料である。
ガイド、ポーターを伴いアンコットに乗ってプットゥリ入山口へ。

(2)プットゥリ入山口@1,200メートル
道が分かれば、プットゥリゲートに直接集合するのも可。
ただし、プットゥリ入山口には駐車場がない点、ご留意頂きたい。
入山ゲートで入山手続きを済ませて、出発。以後、トイレは
ないのでご留意頂きたい。

ここから、約5時間の登りが始まる。途中、巨木が道を塞いで
いる箇所もあるため、歩きにくい。道中、shelterと呼ばれる
休憩所があるので、適宜休憩を取る。なお、シェルターは
単に広場があるだけで、雨風を防げるわけではないことに注意。

途中、高原野菜の畑が広がる。

数か所、登りにくい場所がある。
(3)Alun-alun seryakencana、エーデルワイスパラダイス@2,750メートル
プットゥリ入山口から約5時間、もうヘトヘトで登れない!と思った頃に
姿を現す大平原。エーデルワイスが咲き誇る。天気が良ければ、
ぜひ寝転がって靴下を脱いで昼寝をしよう。順調に歩けば、だいたい
13時ごろ到着予定。

昼寝を楽しんだ後は、テント場まで約30分のウォーキング。
エーデルワイスを見ながら西へと歩こう。

ここでのポイントは、プットゥリ入山口からポーターにテントを
担いでもらい、先にテント場に向かってもらう。そして、寝床を
確保することである。ハイシーズンは、登山者で賑わう為、良い
寝床を確保することが難しい。そこで、ポーターを先に歩かせ、
早めに寝床を確保することがポイントである。

なお、alun-alun seryakencana及びグデ山頂付近は、強風が吹く
こともしばしばあるため、木の陰にテントを張ることが重要である。
近くに水場があるが、決して水場近くにテントを張ってはいけない。
大雨でも降れば、たちまち危険地帯と化すからである。

素足で昼寝を楽しもう。
(4)テント泊
テント泊での注意点は、とにかく寒さ対策である。夕方以降の気温は
約5度。0度を下回ることもあるので、防寒対策は必須である。毎年、
寒さで命を落とす登山者もいるため、装備が必要である。

テント泊でのお勧めは、星空観賞である。満点の星空に、誰しも
心を奪われるに違いない。ヘッドライトを消して、満点の星空を
楽しもう。南十字星が登山者を待っている。

(5)テント場から山頂へ
翌朝3:30頃起床し、テントを畳む。ヘッドライトを点けて、4:30ごろには
出発したい。テント場からグデ山頂までは、約50分。5:30ごろの登頂を
目指して登ろう。

山頂では、強風が吹き荒れることもあるので注意が必要だ。風があると
体感温度が下がるため寒さ対策は必須。

ご来光と雲海をバックに記念撮影。特に、パンランゴ山をバックに撮影
すると良い写真が撮れるだろう。ただし、クレーターに落ちないように
注意を払っていただきたい。

山頂で朝食を摂り、7:00ごろにはKandang Badakに向けて出発したい。
風が吹くと寒いので、コーヒー等温かい飲み物があると良いだろう。

パンランゴ山をバックに撮影。柵の奥はクレーターの為、注意。
(6)グデ山頂からKandang Badakへ@2,400メートル
グデ山頂から600メートル降りてカンダン・バダックへと向かう。
約90分の下り、途中で鎖場がある。鎖(ロープ)が切れている
箇所があるため、注意が必要である。

鎖場。ロープが壊れている箇所あり。
カンダン・バダックは、テント場であり、小さなシェルターもある。
パンランゴ山頂を目指す場合は、このシェルターにザックをデポし、
3,019メートルのパンランゴ山頂を目指すと良い。

ただし、パンランゴ登頂にトライする前に、必ず降りてきた登山者から
山頂付近の天候や登山道のコンディションを確認するようにしよう。
もちろん、ガイドが情報収集し適切なアドバイスをくれるが、
自分で情報収集することも大切である。

(7)ガンダン・バダックからパンランゴ山頂へ
約2時間30分の登りである。一部、道が小川のようになっている箇所が
あり、注意が必要である。また、登り始める時点で、雨が降っている場合、
安全を優先し登頂断念を決断する場合もある。

順調に登れば、12時過ぎにパンランゴ登頂。山頂から5分ほど
歩いたところにAlun-alunがあるので、足を休めつつ昼食を摂ろう。

(8)パンランゴ山頂からカンダン・バダックへ
元来た道をひたすら下る。個人的には、下りはかなりキツイ。
2時間近く歩き、やっとの思いでカンダン・バダックへ辿り着く。

二日目の下りということもあり、人によってはかなり厳しと思われる。
カンダン・バダックで一休みし、デポしたザックを担ぎ直し、
チボダスゲートへとひたすら歩く。

90分前後歩いたところで、もくもくと湯気が上がっている場所に着く。
温泉滝である。文字通り、温泉が滝のように流れている場所である。
インドネシア語では、air panas、そのままである。

温泉滝を渡る際には、細心の注意を払う。
温泉滝は、滑りやすいため極めて危険である。レインコートとグローブを
きつく締めて、濡れないように注意しよう。写真左側は、崖となっており、
滑落したら命を落とす。細心の注意を払って渡るようにしたい。

(9)温泉滝からチボダスゲートへ
温泉滝周辺で一休みしてから、チボダスゲートを目指そう。
順調にいけば、2時間弱で辿り着くことができる。なお、時間帯に依っては
暗くなってしまう為、ヘッドライトを準備するようにしたい。

仮に下山に時間がかかり、夕方の時間帯となってしまった場合、
Telaga Biru(青い湖)の近くでホタルを鑑賞することができる。
原生林の中で見るホタルは、日本で見るホタルとは一味違うかもしれない。

テラガ・ビル。湖面が青く見える。
テラガ・ビルを過ぎれば、チボダスゲートまでは約50分。
しかし、登山道が石畳の為、非常に歩きにくい。最後の最後に
登山者を苦しめる石畳である。

最後の石畳は非常に歩きにくい。
チボダスゲートに到着したら、入山許可書を職員に渡し、登山終了。
お疲れ様でした。

5.装備について
以下、必須と思われる装備を紹介する。あくまでも、個人的な見解であり
公園管理事務所の意見を代弁するわけではない点、ご注意願いたい。

・登山シューズ(ハイカットのものがお薦め)
・合羽(ゴアテックスがお薦め)
・ヘッドライト
・防寒具(フリース等)
・軍手、手袋
・テント
・寝袋
・マットレス(寝袋の下に敷く)
・タオル、着替え等
・ティッシュペーパー(トイレ用のものであれば、つぶして持ち運びできる)
・水(一人3リットル、大きなペットボトル2本分)
・行動食、乾きもの(チョコ、ソイジョイ、カロリーメイト等)
・帽子
・調理器具一式
・カップ、皿等の食事セット
・食糧(最低限、一泊目の夕食、二日目の朝食は必須)
・医薬品(パナドール等)

日焼け止めや嗜好品(ビール等)は、各自の判断で決めよう。

*上記の装備はあくまでも個人的な見解であり、上記装備を
備えていれば100%安全というわけではない。筆者は、一切の責任を
負いかねる。予めご了承して頂きたい。


6.入山手続きに関して
登山者は、公園管理事務所より入山許可書(SIMAKSI)を取得することが
義務付けられている。

Q:入山手続きの方法を教えてください。
A:事前にご連絡頂ければ、当方が代行いたします。
または、直接公園管理事務所にお越しいただき、
手続きして頂くことも可能です。

Q:入山料は、いくらですか?
A:外国籍のお客様は、42,000Rp/person(保険料含む)です。
インドネシア人のお客様は、7,000Rp/person(保険料含む)です。

支払方法は、直接公園管理事務所で支払っていただくか、
銀行振り込みを利用するか、いずれかとなります。
なお、振り込みの場合は、以下の口座に振り込んでください。
BNI Cipanas支店
019 012 7132
Balai Besar Taman Nasional Gunung Gede Pangrango


Q:ガイド、ポーターの予約方法を教えてください。
A:外国人のお客様は、必ずガイドを雇うことが義務付けられています。
ガイドは、公園管理事務所が斡旋することができますので、お気軽に
お問い合わせください。ポーターも同様に斡旋可能です。

しかしながら、ガイド及びポーターは、公園職員(林業省職員)では
ありません。従って、公定料金は存在せず、その都度、お客様自身が
ガイド及びポーターと交渉の上、お支払い頂くことになります。
料金に関しては、公園管理事務所は一切関与していません。
お客様ご自身の責任でお支払いください。換言すれば、料金に関して
トラブルが発生しても、公園管理事務所は責任を負いかねます。

7.お問い合わせ
インドネシア林業省 森林自然保護総局
グヌン・グデ・パンランゴ国立公園
青年海外協力隊(環境教育)
吉田賢一

Tel: 0263-512-776
(公園管理事務所の代表番号です)
Email: s04569ky[at]gmail.com
(隊員直通です。[at]の部分を@に変換の上、お問い合わせ下さい)


<注意事項>
*本ウェブの情報は、筆者の個人的な経験に基づく情報であり、
公園管理事務所の意見を代弁するものではない。

*本ウェブの情報は、筆者の個人的な経験に基づく情報であり、
事故が発生しても、筆者は一切の責任を負いかねる。この点、
予めご了承して頂いた上で、上述の情報を活用されたい。






自己紹介

自分の写真
Kenichi Yoshida(Mr).サラリーマン生活を経て2011年年始よりJICA青年海外協力隊でインドネシアに赴任。2013年1月に本帰国。